2019/07/07 18:04

クリスマスランタンについて。


はじめまして。

奇遇にも当サイト内にクリスマスランタンが前期中期後期と3モデル揃ったことにより、一見するとチグハグな組み合わせのこのランタンの歴史を整理してみようと思います。




こう並べてみると、”これってだいたい全部同じじゃん”って思うかもしれませんが、結構違いがあります。

しかもその違いの中に、往年の名品誕生の原型となる歴史が隠れている!!

そもそも実はクリスマスランタンの製造はとても短くて、1年も作られていません。確認されている製造年月だけで、7か月間のみ。。しかもそのたったの7か月間の中で3モデルに分かれるって、、、意味わからん

という人のために、前期、中期、後期の3モデルに分けて違いを整理していきます。(自己リマインドの意味も多く含みます)

前置きが長くなりましたが、まずは前期から。




生産されていたのは1951年3月と4月の2カ月間のみ。

それ以前のアメリカ製200モデルの最終形態であり、オイルタンクはブラス製にクロームメッキが施されたものに深めのグリーンが塗装されています。

サンシャインマークのグローブで、そのグローブレストは鉄製であり、仕様は200モデルを引き継いでいます。特徴としてはグローブレストの底面には空気取り入れのためか無数の穴が開いています。



これを最後に200モデルは生産が終了し、替わって200Aに切り替わり1983年までの長い歴史が幕を開けることになります。

製造数はかなり少なく、市場ではなかなか見かけない幻のモデルです。



すでにロマンを感じます。

一体いままでに何人の無骨なアメリカンキャンパーに愛でられてきたのでしょうか。

実はもう少し細かく説明するとジェネレータ接続部のブラスパイプやフィラーキャップの形状など、従来のモデルとは異なる点が多々ありますが、割愛します。

次に中期モデル。




このモデルの生産は1951年5月と6月と8月の3カ月間。

一見すると前期との判別が難しいですが、もっとも大きな違いはブラス製タンクから鉄製タンクに変更されたこと。

キズやサビ部分でブラスと鉄だと経年変化が異なり、鉄独特のサビなどにより重厚感が出ます。



見た目はほとんど変わりませんね。

オイルタンク底面に刻印された製造年月の違いと、オイルタンクに磁石がくっつくかどうか、で判別可能です。

そして最後に後期。




製造は1951年10月と12月の2カ月間のみ(だと思います。)

大きな変更点はコールマンのアイコンでもあるデカールがタンク中央部に配されたこと。



その他は中期モデルと仕様の変更はありません。

やっぱりオイルタンク中央にデカールが鎮座すると、なんか安心感ありますね。デカールは枠の赤い、通称レッドボーダーというものになります。ただ、このモデルからデカールが登場しますが、まだ貼り慣れてない(?)ようで、えらくタンク下部に配されています。タンクの淵に合っちゃってる 笑

その後、年が明けて1952年1月は製造された痕跡がなく、1952年2月にオールレッドの従来の200Aが出現します。ブラックバンドと呼ばれ、グローブレストがオールブラックというだいぶシックなリニューアルをしますね。

これも結構人気です。

振り返ってまとめると


一般的にクリスマスランタンは200モデルから200Aへ移行する際の試作品と言われています。

同様のモデルで生産ロットを細かく分けることにより原材料の手配や生産ラインの確認、今後採算の取れるモデル構築の模索をしていった結果、200モデルから抜本的な改善はなくマイナーチェンジということで200に”A”を付け足し、1983年までコールマンの歴史を代表する”200A”という名品が完成されます。

その貴重な模索の過程が手に取るように分かるのが、この1年弱で3回もモデルチェンジしていったクリスマスランタン、ということになります。ちなみに”クリスマスランタン”はコールマン公式の呼び名ではなくファンの中での呼称のようです。

実用もいいですが、それ以上に資料的価値がある!なんて思っちゃったりします。

やっぱり、ロマンですね~

当店では、燃焼テストを行っています。

納品後の点火テストをおこなっておりますが、残念ながらテスト時の燃焼は、お客様の手元に届く時点での燃焼の補償にはなりません。交換に必要な消耗パーツは交換し、ある程度のメンテナンス後にクリーニングし磨きを入れてから商品化しております。すでに50年から70年の年月を経たものが大半になります故、ご購入後はお客様個人でのメンテナンスをお願いしております。

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